D.ストウ『訓練システム』における<矯正>と<教育>—19世紀イギリス大衆学校の性格をめぐって—
(児美川佳代子名で執筆)
D.ストウの『訓練システム』を素材として、その教育論と実践の展開を分析した。ストウの訓練システムの特質は、子どもたちが学校外の世界で受ける悪い影響から子どもたちを引き離し、学校という特別な空間で良い習慣を形成することにあった。そのために周到に編成された校舎や時間割などの具体的ありようを検討した。そしてこのシステムを19世紀イギリスにおいて<矯正>と<教育>の発想が分化してくる歴史的文脈の中に位置づけることを試みた。
東京大学教育学部紀要
第34巻
1995