教育関係史としての教具史の可能性
(児美川佳代子名で執筆)
19世紀半ばのイギリスにおいて標準化された教室の座席の配列を事例として、教師と生徒をつなぐ教具の側面から見た学校史の可能性を探った論文。当時枢密院教育委員会が推奨した列状の座席は、大衆教育の制度化にあたって圧倒的に教員が不足する中で、多数の専門的力量を持たない教員見習生や助教員が、教師と同様に秩序を維持しながら授業を行うための装置だったのではないか、という仮説的結論を導き出した。
大人と子どもの関係史第一論集
1994