J.ベンサムにおける統治術と教育術—『刑法の原理』第三部を中心として
(児美川佳代子名で執筆)
J.ベンサムの思想における統治と教育の関係を論じたもの。具体的には、『刑法の原理』第三部、すなわち間接的立法論における教育の位置づけを、彼の『パノプティコン』と『道徳と立法の原理序説』における叙述とも対比しながら検討した。本来家族的統治の枠内の問題であった教育が、市民的統治の問題としてせり上がってくる機制が論じられていることを明らかにし、ベンサムにおいて、教育が統治の基底的ファクターとして位置づけられていることを示した。
日本の教育史学
教育史学会
第37集
1994