功利主義と教育—J.ベンサムの統治論における教育の位置づけを中心として(招待執筆)
法哲学・政治哲学における教育の位置づけについて整理したうえで、ベンサムの功利主義教育論の内容から、子どもの教育は自由主義的統治の基底に位置づくことを明らかにした。あらかじめ整序された環境において教育することができれば、次の世代には個人の利益と社会全体の利益とが一致する自由な社会を構築することができると考えたベンサムにとって、教育は、まだ見ぬ統治構想の具体的範型と言うべきものだったことを示した。
法哲学年報2011,
有斐閣
2012