2004年2月27日提出
本稿は、東京大学教育学研究科に提出
した学位(論文博士)論文である。J.
ベンサムの立法論、施設経営論および
教育論を検討し、ベンサムの社会統治
論の根幹に教育が位置づいていること
を明らかにした。古典的自由主義に位
置づけられるベンサムは、自律的な個
人が全体の利益を実現するような理想
的な社会構想を持つ一方で、快苦に動
かされる功利主義的人間理解を持って
いた。一見矛盾するかに見えるこの二
つの側面は、未来への投企という教育
のモメントを入れることによって、国
家構造を作り変