本稿は、2002年度ブリティッシュカウ
ンシルおよび日英教育研究フォーラム
から頂いたスカラシップ受賞の論文で
ある。J.ベンサムの立法論、特に『
道徳と立法の原理序説』における教育
の位置づけを明らかにすることを目指
した。ベンサムは、立法と私的倫理と
を峻別しようとするが、教育はその両
者を媒介する位置に置かれる。これは
、立法者が社会の成員を未成年に擬す
ることで諸個人の行為に介入する場を
開くことになる。このように、ベンサ
ムの立法論にとって教育はその統治の
基底に位置づけられることを明らかに
し