J.ベンサム『クレストマティア学校』の構図(1)—パノプティコン原理による学校管理—
(児美川佳代子名で執筆)
J.ベンサムの『パノプティコン』における学校論と、彼の「クレストマティア」学校の構想を検討し、ベンサムが階級別の複線型学校体系を構想していたとする先行研究を批判した。両学校論の分析によって、むしろ、クレストマティア学校はパノプティコン原理に基づく学校であり、そこから、ベンサムの教育観は、階級に関係なく「未だ市民ならざる」子どもや若者を市民へと予備的に矯正する」ものであったことを見いだした。
研究室紀要
東京大学教育学部教育哲学・教育史研究室
(第18号
1992