本研究では, 「木を使ったものづくり活動」が参加者に与える影響(2章)と, 活動に対する意識の特性(3章), 地域住民の意識の実態(4章)を, 統計学的分析と参与観察を合わせて考察し, 参加者と地域住民の意識と行動の変化について明らかにした。参加者と地域住民の交流は, 参加者が人や地域のためのデザインを学ぶ機会となり, 地域住民に環境保全意識を普及させる可能性を示した。そして, 総合的な建築教育を目指した「木を使ったものづくり活動」が, 環境配慮的な生活の実現に貢献する人材を育成する可能性を示した。