気候変動対策の捉え方と脱炭素社会への態度の関係−心理的気候パラドックスの視点からの現状分析—
木原浩貴*, 羽原康成, 金悠希, 松原斎樹
気候変動問題に関する情報が十分に存在しても, 社会変革の重要性の認識は高まらない。この心理的社会パラドックスを生み出す心理的障壁に応じて気候コミュニケーションの在り方の再考が求められている。本研究では, 多くの人が気候変動対策を「室内の暑さ寒さなどの我慢を伴うもの」と捉え, 脱炭素社会への態度は倫理観に基づく責任感や, 対策の経済への影響の受け止め方に規定され, 暮らしの快適さや便利さの向上と脱炭素社会は連想されていない事が明らかとなった。
人間と環境,
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2020