日本における心理的気候パラドックスについて検証し, 効果的なコミュニケーションの方策を探る事を目的に, 情報提供動画を盛り込んだインターネットアンケート調査を実施した。多くの人は気候変動問題に危機感を持ちながらも, 気候変動対策によって生活環境や経済が悪化すると捉えており, 具体的な脱炭素社会の姿がイメージされていない事が示された。また, 気候変動対策が室内の温熱環境や経済に悪影響を与えるというイメージが認知的不協和を生み, 危機感や責任感が脱炭素社会の支持度へと結びつくことを阻害している可能性が示唆された。